法令解説

01

防火区画とは

建築基準法

図1参照)

防火区画とは、建築基準法で性能が定められている「所定の耐火性能を持った床又は壁」のことです。基本的には、建築基準法において防火区画の設置が義務付けられており、床面積や階数等に応じて、一定のルールに従って設置します。
この防火区画をケーブル・配管が貫通する場合は、建築基準法で規定された仕様もしくは国土交通大臣認定工法(最大1時間耐火)を用いなければなりません。

防火区画
建築基準法施行令 第112条 → 防火区画・面積区画・異種用途区画
建築基準法施行令 第113条 → 木造等の建築物の防火壁および防火床
建築基準法施行令 第114条 → 建築物の界壁、間仕切壁および隔壁
貫通部
建築基準法施行令 第129条2の4第1項第七号
02

共住区画とは

消防法

図2参照)

共住区画とは、特定共同住宅における「住戸等間の開口部のない耐火構造の床又は壁による区画のことで、その構造は建築基準法で規定された耐火構造であることが必要です。特定共同住宅は、消防法施行令第29条の4に関連して、平成17年総務省令第40号が平成17年3月25日付けで交付され、平成19年4月から規定・運用が始まりました。この共住区画をケーブル・配管が貫通する場合は、消防庁告示第2号および消防庁告示第4号((一財)日本消防設備安全センター評定(1時間耐火)等)の仕様を用いなければなりません。

共住区画
消防法施行令第29条の4 平成17年総務省令第40号(特定共同住宅)
貫通部
消防庁告示第2号(仕様) 消防庁告示第4号(耐火性能)
03

令8区画とは

消防法

図2参照)

令8区画とは、消防法施行令第8条に規定する「開口部のない耐火構造の床又は壁」による区画のことで、その構造は建築基準法で規定された耐火構造であることが必要です。また、令8区画は、1つの建築物内で複数の防火対象を定める場合に必要な区画で、例えば、用途の異なる複数の部分が1つの建築物にある場合や、複雑な構造を持つ建築物を防火管理しやすい部分に区切る場合などに規定されます。この令8区画を必要不可欠な給排水管が貫通する場合は、消防庁予防課長通知「消防予第53号(平成7年3月31日)(一財)日本消防設備安全センター評定(2時間耐火)」等の仕様を用いなければなりません(電気配線、樹脂製電線管等の貫通は認められていません)。

令8区画
消防法施行令第8条
貫通部
消防庁予防課長通知消防予第53号
04

防火区画貫通部の規定

建築基準法

防火区画をケーブル・配管が貫通する場合は、以下法令の通り、建築基準法施行令第129条2の4第1項第七号にあるイ・ロ・ハいずれかの構造方法を用いなければなりません。

05

国土交通大臣認定工法

防火区画貫通部に要求される性能について

防火区画貫通部の国土交通大臣認定工法では、
最大1時間遮炎性能が要求されます。

06

(一財)日本消防設備安全センター評定(共住区画)

共住区画貫通部に要求される性能について

共住区画貫通部では、防火区画貫通部と同様に1時間遮炎性能が要求されると同時に、遮煙性能および遮熱性能がプラスの性能として要求されます。
これらの項目は、建築物の構造に主眼を置いた建築基準法に対し、消防活動に主眼を置いた性能と言えます。

07

(一財)日本消防設備安全センター評定(令8区画)

令8区画貫通部に要求される性能について

令8区画貫通部では、防火区画貫通部や共住区画貫通部より更に厳しい2時間遮炎性能遮煙性能および遮熱性能が要求されます。
しかし令8区画では、原則として給排水管以外の貫通は認められておらず、電気配線や樹脂製電線管等を敷設する場合は、令8区画ではない、外壁や地下ピット等を貫通させて導入する方法が採用されています。

※現在、弊社では令8区画用の消防評定は取得しておりません。